2008年09月24日

MW号の悲劇 電撃コラボレーション/[電撃文庫記念企画]

MW号の悲劇 (電撃文庫―電撃コラボレーション (1651))MW号の悲劇 (電撃文庫―電撃コラボレーション (1651))
電撃文庫記念企画

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午後9時、非常ベルが鳴った。その時事件は動き出す――

MW号船内で何が起こったのか!?MW号沈没にまつわる13の物語。

前回のコンセプト同様に今回も共通ワードを盛り込んだMW号にまつわるエピソードが複数の作家さんの手で紡がれており、前回と少し違うと感じる点は、リレー形式で展開している為他のエピソードを読むことで様々な搭乗客の視点で何がこの事件に関わっていたのかが全て読み解くことができる事です。
続きモノにうまくなっているので短編集なのに長編サスペンスの顔も持っている作品でした。

ジャンルもシリアスなものからコメディまでそれぞれの作家さんの作風を生かしたシチュエーションが待ち受けており、前回は短編ごとにすばらしい作品が読めましたが、今回は様々なキャラクタの関わり方も楽しめる出来になっていました。相関図的な絡み方が絶妙な作品も多くて、Aの作品ではわからなかったことがBを読むと真実が見えてくるなど、本筋以外のちょっとした事柄さえも物語に取り込んでしまっているという細かな部分への配慮も見せる作家さんもおりとても楽しめました。

今回の作品では成田さんと有沢さんのお話は別格でしたね。
成田さんの作品を読んでいるとバッカーノがなぜか脳裏をよぎってしまう展開でしたが、殺人狂・蟻塚とか壊れ方はレイルトレーサーといい勝負ができそうなくらいの自己中さと信念を感じさせましたね。
そしてまた海賊のボスの人柄の良さとか、副長もですが成田さんらしい登場人物の据え方はとてもよかったです。

有沢さんのエピソードもすだれ係長というまた異色のキャラを持ってきて、そして意外なストーリーを展開させるなどこのお話の終わり方自体もかなりすっきりとそしてすだれ係長のかっこよさが出ていてGoodでした。他のエピソードでも色々からんできたりして思わずできてきたときには吹いてしまいそうなこのシリーズ通して一番印象に残るキャラでした。

豪華客船の沈没というあまり題材的には暗めになってしまいそうですが、意外とコメディ的な要素もあり、シリアスでありつつも遊びを忘れないことで作品全体の雰囲気が偏らないように保たれていました。
まぁ、最後のびんかんサラリーマンはさすがにぶっとび過ぎていましたが^^;ラストの締めに持ってきていたのでそんなに気にはなりませんでしたね。

表紙からは重めの印象を受けるかもしれませんが、中身は非常にコミカルとシリアスがいい感じでバランスをとっており面白いと感じるには十分な作品だったと思います。
posted by When at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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